大晦日 永遠の0
今年も今日で終わりです。大晦日だからといっても、普通の日と同じだよという人もいますが、僕はひとつの節目として受けとめたいと思います。
特に今年は、1月4日に兄が、8月8日に父が亡くなり、母と僕だけになりました。もちろん、現在は僕には家族や、母にも親戚たちがいますが、かつて4人で家族として生活していたのが、一年で半分の人数になってしまったという、喪失感のようなものが残ります。ただ、なぜか、二人の存在が無になったとは思えず、この世からは消えていったけど、どこかでまだ存在し続けているようなリアルな感覚があるのが、不思議です。
さて、昨日は高校生のときの友人数名と会いましたが、その中の一人がこの夏に具合が悪くなり救急車で運ばれたそうです。幸い大事には至りませんでしたが、通説通りに50代からの飲み会の話題は病気の話が中心となりつつあります。
同級生たちと会って、違和感があったのは、殆どが変化を求めずに安定して、ゆっくりとした生活を望んでいることでした。リタイアして、ストレスの少ない生活に憧れるという気持ちはもちろん僕の中にもあるのですが、ただのんびりと悠々自適に生活して死を迎えたいとはどうしても思えないのです。
高校時代の友人たちとの飲み会で感じたのは、自分が異邦人のような感覚、孤立している感覚でした。それは、みんなが高校時代の延長のように振舞っているのに、僕自身が高校時代の自分になりきれず、変化してしまった結果ではないかと思っていたのですが、こうして書きながら、気づきました。
僕は昔から、高校時代よりももっと前の幼いときから、異邦人のような感覚があったのです。小さい頃から、友達の輪の中に入って遊ぶよりも一人でいることを好み、友達と遊んでいるときも違和感がありました。それを言葉でどう表現したら良いのかわかりませんが、どこかで子どもの世界を達観しているような、冷めているような、客観視しているような....感覚です。
今でも憶えているのは、小学校低学年のときに、近所の友達とボール遊びをしている途中で、僕は突然なにを思ったか「ボクは友達5人のいのちを救えるなら自分のいのちをあげられるけど、○○ちゃんはどう?」と尋ねたのです。当然、友達は自分はいやだと言っていましたが...。ボクはボール遊びよりも、そういうことの方?に興味があったのでしょう。
やがて、成長するに従って、僕の世界に対する違和感は社会に挑戦的なフォークロックの世界や、筒井康隆の小説、寺山修司の作品に傾倒していき、増長されていったのでした。違和感が、世界に対する批判へとカタチを変えていったのです。
大学時代は、世界に対する嫌悪と批判から、宗教や福祉といった救済の世界に興味をもち始めましたのでした(系統違いのプロレスにも熱狂するようになりましたが、それはアントニオ猪木信者になったからかも(^-^; )
そのまま、社会人となった現在の僕は、その違和感や異邦人感をもちつつも、かなり社会との接点が大きい仕事に就いてるのが不思議といえば、不思議です。
職場でも、高校時代の友人たちと同じように、悠々自適な生活をして過ごしたいという方々が殆どといってくらい多いのですが、自分はやはり異邦人なのでしょう。固定化した安定を求めてはならない、変化=通常である、自分の役割を果たせ......といったような心の声がずっと響いているのです。
もういい歳なのだから、そろそろ落ち着くようにしなきゃというのが、当たり前なのでしょうが、これからも心の響きに従うように生きていくことでしょう。僕自身、自分が変わり者だと思いますが、これでいいのだと思っております。
そして最後に、異邦人としての自分ですが、けっして孤独ということではなくて、心を通じ合える友人たちとの出会いがありました。それは、そういう自分だからこそ味わえる喜びであると感謝しております。
大晦日に、こういうことを書くとは思ってもみませんでしたが.......(゚ー゚)
...................と、午前中にブログを書いてから、夫婦で午後から映画「永遠の0」を観にいってきた。場内は満席であり、老若男女バラエティに富んだ客層である。大泣きする映画と大評判であったが、やはり、泣いてしまった。なかなか良い映画であった。主演の岡田准一もいい男で、好感を持ったのだが、観終わってから奥さんが「私はジャニーズ系がきらい」と言ってくるではないか!
この映画は戦争を肯定しているわけではなく、むしろ、戦争によっての悲劇を訴えている。現代のシーンでは合コンの場面があって、主人公の孫が 友人から特攻隊を洗脳された異常者扱いされたため、ぶちきれたシーンがあった。孫の感じた違和感、孤独感は僕のもっているものと似ているような気がした。
今年一年、本当にありがとうございました。m(_ _)m
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