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2012年12月14日 (金)

うつ病と合気道

 昨日は従業員2000人以上を対象にしている研修担当の方とお話した。

 職員の精神面での病気欠勤が増え続けており、人事担当も産業医も頭を抱えているらしい。うつ病が増大しているのは、特定の組織だけのことではなく、日本全体の問題でもある。

 実は先週、その研修担当が私に相談にきていた。うつ病対策として、医療、心理等の専門家を呼んでの研修や、相談会を開催してもなかなか効果は上がらないので、どうしようかと悩んでいたら、以前合気道による精神面への寄与について話していた私を思い出したらい。

 研修担当には、合気道から得られる要素を簡単に説明し、まずは体験してみなさいとすすめたら、実際に行ってきたのだ。

 昨日の話だと、合気道体験(エッセンス)により、意識が身体に及ぼす影響力に驚いたとのことであった。長時間にわたる体験であり、当初は疲れそうだと想像していらしいが、実際にはあっという間に時間が過ぎて、爽快感があったようだった。

 昨日、研修担当は合気道の体験についてはとても良かったが、それを精神疾患対策として用いることについてはどうかと聞いてきた。私は、すでに病欠となってしまっている人たちに対しては、ハードルが高いと思うが、一般的な予防措置としてしてなら、有効であろうとこたえた。すると研修担当は、病欠になる手前のボーダーの人たちを対象にしたいらしいので、それもありとこたえる。

 しかし、合気道の研修要素について、はたしてそれがどのようにうつ病対策として機能するのかがわからないともおっしゃる。

 私は次のようにこたえた。まずうつ病対策としての決定打などはあり得ない。その証拠に、全国的にうつ病患者は増大し、自殺者も年間3万人(原因は様々だが)といった状況がずっと続いている。国や自治体、関係団体は自殺予防対策を講じているが、残念ながら、精神疾患は広がり続けている。

 そして、対策の多くは、研修担当がやってきたような講演会、研修会、カウンセリング、PR活動がメインである。はたして、それで精神的に折れてしまった方々が、立ち直れるのであろうか。もちろん、一定の効果があることは認めるのだが、悩まない生き方講演や、自己診断チェック、面談といった他者からの働きかけが主である。そこに限界がある。

 専門家から考え込まずにリラックスすべきと聞いて、そうしようと思っても、実際にリラックスすることは困難である。

 他人の眼を気にしないようにといわれて、すぐに気にしない自分に変容できる能力の持ち主は、そもそもうつ病にはならないのではないか。

 また、そのアドバイスも混乱を与えてしまう要素がある。夜や休日はリラックスして過ごしましょうといわれても、リラックスとは何かがよくわからない。よくあるのが、ソファーにダラーとしているような気が抜けた状態、腑抜け状態だというイメージだ。

 平日や昼間において過度に緊張し続けた人が、休日や夜間に気の抜けた状態になっていては、サザエさん症候群のように出勤するのが酷になるのは当然であろう。

 合気道は、自分の意識が如何に自分の身体に影響を及ぼすかを実感できる体験である。リラックスは合気道にとって重要なものだ。体験してみれば、よくわかる。緊張してこわばっている状態では相手に簡単に倒されてしまう。腑抜けた虚脱状態でも同じだ。今度は身体の余分な力を抜いて、身体の中心に意識をあわせると、簡単には動かされなくなる。

 初心者はその不動となった意識を憶えていくことによって、自分の心身をコントロール術を学んでいく。勿論、身体の姿勢の状態も重要な要素であるが、どんなに理想的な姿勢をとったとしても、意識をマイナス要素(嫌だ、だめだぁ)に向けた途端、相手に押されれば崩れてしまう。

 私たちは、リラックスという言葉をそれがどういうものなのかが明確に理解できないまま、共通言語として使っている。リラックスとは脳が考えるものではない。カラダを硬直させながら、本人はリラックスしていると思っていても、それは力んでいる状態でしかない。リラックスはまずカラダが柔らかにそして実直になっている状態であり、脳がそれと同化している状態のはずであろう。

 リラックスした状態が、実は強固で、自分自身の本来の力を発揮しやすいのだと実感できたとしたら、新しい世界の入口に立つことができる。

 日常では仕事に対する不安や、他者の視線・言葉等で脳をいっぱいにして、混沌としている状態でも、僅かでもリラックスした状態を隙間に入れることができたら道は開けてくる。

 研修担当には、職員たちを活き活きとさせ、そのことにより組織の明るい未来をつくっていくたいせつなお仕事をされているのたがら、誇りと情熱をもって仕事なさってくださいと申し上げた。

 大事な職員たちを精神的なプレッシャーに埋没にさせないためにも、決定打はなくても多様なメニューによる働きかけが大切であり、そのひとつとして合気道、武道を取り入れてもいいのではないか。実際、私は合気道から大切なものを学んでいるし、仕事や生活にも良い影響を与えてくれているともアドバイスした。まぁ、私の仕事、生活ぶりを見て疑問に思う御仁も多々いらっしゃるとは思うが......。

 他者からの情報の伝授では、限界がある。自分自身で動いて、発見しなければならない世界がある。

 長くなってしまったが、明け方に眼が冴えてしまって、このようなことを回想していたので、久々に早朝、こうしてPCに向かっている。

 それはそうと今日の忘年会はのみ過ぎないようにしよう。(゚ー゚)

 

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