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2012年10月 6日 (土)

アウトレイジ ビヨンド

 今日は奥さんが新宿に買物に行ったので、ひとりで家でボーッといると来週からの仕事の準備しなくていいのか! という自責の念にかられるので、逃げるように本日公開の「アウトレイジ ビヨンド」を観に行って来た。

Photo  今週は「キングオブキングス」を観て、キリストの「山上の垂訓」に感銘したとブログで書いたばかりだが、今日の午後は、まるっきり対極にある全員悪人、復讐、殺人、裏切りといった救いよう無しの映画を観てきてしまった。

 前作が公開されたときは、北野作品の露悪的で残虐な部分が嫌で関心を示さなかったが、少し前になぜか観たくなり、DVDを借りてきて、はまってしまった。

 「アウトレイジ ビヨンド」。これは面白い映画だ。上映中になんでオレはこんなにワクワクしてこの暗い映画を観ているのだろうと自問自答してしまった。よく観るハリウッドのアクション大作もドキドキワクワクするが、それ以上に今日の映画は身体のより深いところからのワクワク感があったのだ。

 出る役者たちは大物揃いで、スクリーンに映し出される人相の悪い彼らの演技を観ながら、みんな良い顔しているなぁと思ってしまった。みんな悪の世界に入り込んでいるのだが、奴らの貪欲なまでの生きるエネルギーが顔から、声から、全身から噴出している。

 あのエネルギーが、善い方向に使われた凄いだろうと思う。イエスキリストは罪深い人間を救うために、この世に遣わされたらしいが、そういえば、キリスト教には元ヤクザの信者や牧師が多数いるとも聞く。

 マンガチックなほどに悪を描き出したこの映画が、人間の業深さと脆さを強調することになって、逆に希望と救いについて考えさせられる結果となった。 そして浮かんできたのが、聖書にある「柔和な人達は、幸いである、彼らは地を受け継ぐであろう」というイエスの言葉である。

 僕の「柔和」に対するイメージは優しいが少し弱々しい感じがしていたが、それは誤りだと気づいた。柔和とは、縁側で日向ぼっこしてニコニコしていることだけではなく、実は力強い鋼鉄のような愛であり、誠意、優しさなのではないだろうか。力が入らぬ腑抜けた状態を柔和とはいわない。

 その柔和のモデルとなる人物をあげるとすれば、マザー・テレサであろう。インドで多くの貧しく、病気の人々に救いの手を支えた彼女は、単なる優しい慈善家ではなく、ある意味では信仰に対しての頑固さがあり、戦闘者でもあったように思える。彼女の笑顔、奉仕、祈る姿は、キリストの言われる柔和そのものではないだろうか。

 ではどうしたら柔和になれるか。なろうと思ったり、獲得しようとする意識では無理であろう。多分、それは結果である。マザー・テレサは強い信仰をもっていたからこそ、その結果として柔和に成っていったのではないか。

 ただ、愛しましょう。絆を深めましょうといっても、言葉の世界で遊ぶことになりかねない。高浜虚子に「去年今年貫く棒の如きもの」という句があるが、信仰でも、誰かに対する愛情でも、哲学でもいい。何か、時空を貫く棒の如き熱い何かが、これからの時代を生き抜くには大切なことなんだよと自分に言い聞かせる。現在のような、うわっすべりの日本と日本人、そして自分自身に対して、この映画は「あんたたち、どうなんなんだよ !」 と、刃を突きつけて問いかけてしてくるようである。

 全員悪人の「アウトレイジ ビヨンド」のことを書くつもりが、まさかこんな展開になるとは思ってもみなかったが(;゚∇゚)。

 確かにこの映画にはまともな人間は出てこない。でも、まともな人間って?自分は?...。悪人とまではいかなくても、他人から悪く思われたくないし、拒絶もされたくないし、できれば好かれていたい....そんな他人の眼や評価に踊らされているのが実状かもしれない。

 観終わってから、もう自分への変なこだわりはやめて、みんなと仲良くしていこう、ケチケチするのはやめようと思ったのだった。

 面白い映画であった。 

 ※北野武演じる大友は、静かで凄みがある主人公です。ちなみに以前のブログで書きましたが、僕はビートたけしの頭をひっぱたいたことがあって、それが唯一の自慢かもしれません(゚ー゚;

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コメント

 炭粉先生の「合気閑話その七」を拝読いたしました。
読みながら、痛みが伝わってきました。
 
 自分も一度体験したいと思いましたが、その施術によって身体状況が劇的に改善されるものなのでしょうか。
 業捨と愛魂が通ずるものならば、愛魂による体術は蘇生術の側面をもっているのかもしれない....などと勝手に想像してしまいました。

投稿: takkun | 2012年10月15日 (月) 23時39分

今晩は。「合気閑話その七」にも書きましたが、現象は事実でした!驚きました。ただ、これも書きましたが病気云々については私の知る限りではありません。
もう一つ驚いたのは、業捨についてかなりネットで紹介されている事です。賛否両論諸説紛々。だが重ねて言います、軽くさするだけで激痛と痕が残る事は歴然たる事実です!
最後に一言添えておきますと、「関西某所」と言っても私が訪れたのは、大阪ではありません。

投稿: 良三 | 2012年10月13日 (土) 21時13分

 炭粉先生、コメントありがとうございました。
 業捨については「合気の道」を読んで調べたら、東京にも施術なさる方かいらっしゃるようです。
 三軸修正法も凄いと思いましたが、業捨はそれ以上の凄まじい情念を感じる施術てすね。
 

投稿: takkun | 2012年10月12日 (金) 19時29分

お早う御座います。前回及び今回の貴台の文章、感服致しました。是非、冠光寺眞法に触れてみて下さい。今から業捨に行って参ります(関西某所にも同じ術を使える方が存在すると聞きましたので)。

投稿: 良三 | 2012年10月11日 (木) 05時44分

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