« 居酒屋化した花見? | トップページ | 平成中村座 »

2012年4月14日 (土)

講道館、ブロレス....カリスマは何処へ

  昨日も少々飲みすぎた。一次会はホテル、二次会はサラリーマン居酒屋、三次会はイタリアンレストランという無秩序なコースを辿った。最初は紹興酒に中華料理、そしてほたるイカをつまみに酎ハイ、最後にピノノワールとスパークリングワインで締めるという無節操ぶりだ。そんなこともあり、今日は読書とDVDの一日だった。 

 夢枕獏「東天の獅子」を読み終えた。講道館創設期の武道家たちの物語だが、ほんとうに面白い。現在ではスポーツ化されてしまった柔道が、実はかなり実践的で危険な古武術から進化したものだということがわかった。投げただけで終わりではなく、相手が戦えない状態にするまで、戦い続けるのだ。アルティメットファイトの原型だろう。

 大東流創始者の武田惣角も出てきて、ダイナミックな武術の戦いが展開される物語だ。現代だと武術家というものが、評論家や、著作家、セミナー講師のようなイメージも持ったりするのだが、明治という時代には生命を賭けて、満身創痍で戦うことも実際にあり、その血と汗と痛みの上に、現代武道が成り立っていることに新鮮な驚きを覚えた。冒頭で作者が、こんな面白い小説を真っ白な状態で読める読者がうらやましいというようなことを書いていたが、作者が渾身をこめた作品であることが伝わってきた。

 
そして、午前の雨の中、佐川急便の配達の人が濡れながら、「燃えろ!新日本ブロレス」というDV61bdozvtil__aa115__2Dブックを届けてくれた。読む部分は殆どないが、昭和の新日本プロレスの名勝負をDVD化した厳選したコレクションシリーズだ。今回はvol.1を試しにamazonで購入してみた。

 最初の試合は猪木舌出し失神のIWGP決戦だ。私はリアルタイムで30年前の蔵前国技館の3階席でこの試合を観戦していた。猪木信者の私は、猪木が当然初代IWGPチャンピオンになると信じており、それが自分の人生の大きなイベントのようになっていた。しかし、まさかハルク・ホーガンのアックスボンバーにより、失神リングアウトになるとは..想定外!だった.....(`0´*)。

 聞くところによると、このコレクションは人気があるらしい。若い世代の方々は、ご存知ないだろうが、かつて新日本プロレス中継は、毎週金曜日午後8時という超ゴールデンタイムで大半は生中継で放映されていたのだよ(全日本プロレスは土曜夕方)。

 現在のようにプロレスが衰退して久しいが、技は多様化し、テクニックも向上しているはずなのに、どうしてあの頃のような凄い熱気を感じられないのだろうか。 

 今日の夕方に韓国映画「力道山」を観たのだが、テレビ初中継で力道山がシャープ兄弟に勝ったシーンで観客が総立ちになりバンザイをして、アナウンサーと解説者は泣きじゃくっていた。敗戦の屈辱と、白人に対する劣等感がプロレスによってカタルシスとなり、日本人を熱狂させた。

 では、第一次プロレスブームが戦後という要素が大きいとすれば、1980年代の黄金期は何だったのか。タイガーマスクという奇跡的なスターによるものか、長州、藤波の抗争、ハンセンやハルクホーガンといった白人レスラーか、UWFによる新しいムーヴメントか.....。 様々な要素があげられるが、私はプロレスラーの持つイメージが大きいと思う。 

 かつて、プロレスラーは普通の人間ではなく、怪物や超人的な存在だと思われていた。キャラクターとしての商品価値を高めるために、多くのレスラーが野獣、悪魔、巨人、呪術、仮面等々の西洋怪奇映画に出てきそうなキャッチコピーをもっていた。 

 何台も連ねた大型バスを引いたり、飛行機の酒を全部飲み干す、新幹線の食堂車メニューを全部食べる、多数の警官を叩きのめす等々のエピソードをもち、プロレスラーは一般人からかけ離れた存在として際立っていた。猪木、馬場といった大御所については、そこまで奇人とみられることはなかったようだが、天から選ばれたカリスマとしてのオーラを漂わせていた。 

 しかし、現在の過度な情報社会では、プロレスラーのミステリアスな部分を保持するのは困難であり、まして自身のブログやツイッターで情報発信しているレスラーも多くいて、レスラーは身近な存在(或いは一般人と同じ)となっている。また、プロレス団体も無数に乱立しており、素人の延長のようでもプロレスラーと称せられるので、他の競技のアスリートよりも位置づけが曖昧となっている。 

 ブロレスという競技は、絶えず八百長論が付随しており、他の競技とは違ったショー、見世物といった観点で見られがちである。特に近年、暴露本が出たり、スキャンダルが報じられ、プロレスの神秘性は失せかけている。 

 その特殊な競技世界をエンターテイメントとして割り切って、ネット上での情報交信を頻繁に行なうファンが多くなれば、必然的にプロレスは狭小なジャンルとなっていき、一般ファンを獲得するのは難しくなることだろう。 

 未だに佐山、藤波、長州、天龍、大仁田といった往年の選手たちが、現役として活躍?しているのはこの世界の特殊性ゆえだし、私も彼らの試合を楽しみたいとも思うのだが、この状況が続けば新たなプロレスの幕開けはないだろうと思う。

 こうして、私にブロレスについて語らせれば、かなりのボリュームとなってしまうので、この辺でやめておこうと思う。私も、若い時とは違って、プロレスを殆ど観ることはなくなっているが、最近、プロレスについて思いを巡らせる時間がでてきた。 

 実は私はブロレスに御恩があるのだ。就職に際して、昔に元部長から聞いた話だと、私は採用面接で有名校出身者と張り合っていたらしい。私は三流系大学で不利であったらしいが、プロレスを語り、かつ毎日プロレストレーニングを行なっていることが気に入られて、採用されたらしい........。(そのような組織の是非については省略....)

 微力ながらも、おじさんはプロレス界全体の復興を願っています。(゚▽゚*)

|

« 居酒屋化した花見? | トップページ | 平成中村座 »

武道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/531400/54470903

この記事へのトラックバック一覧です: 講道館、ブロレス....カリスマは何処へ:

« 居酒屋化した花見? | トップページ | 平成中村座 »