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2011年2月11日 (金)

「太平洋の奇跡」上映中に怒鳴るお客さんの気持ち

今日から3連休だが、あいにくの雪。来週の仕事の準備もしなければならないので、連休前半はリフレッシュしなくちゃと、雪の中を嫁とタクシーに乗って錦糸町に異動して本日封切の「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~」を観る。

 Photo まあ初日ということもあろうが、錦糸町の映画館でこんなに混んだのをみたのは初めてだ。客層はやはり年齢が高めである。失礼ながらエっと驚くぐらい、腰の曲がった杖をついている特養ホームに入居しているような方もいらした。

 そして、上映中に驚くべきことが起きた。山中に隠れている日本兵たちに、日本民間人が米軍に投降をすすめると、日本兵が「この非国民が!」と怒る場面があったのだが、私の後方のご老人が「ふざんけんな!!何が非国民か!!お前の方が非国民だ!!」というような大声をあげて、スクリーンに映る日本兵(山田孝之)を非難された。その怒りの興奮は場内の観客に伝わった。私はあーこれからもその手のシーンが出てきそうだけど、大丈夫かしらんと不安になったが、それ一回だけだったのでホッとした。

 映画館で、スクリーンに向かって怒鳴る人は初めての経験だったが、年齢から察すると(ご本人を目視したわけではないけど声で)、戦争にかかわる辛い経験がおありなのだろうと思う。数日前のテレビニュースでも、サイパン戦を体験した方のインタビューが放映されていたが、自分の子どもや孫もこの映画を観て、おじいちゃんがいかに大変な戦争経験があったか、やっと実感してくれたというようなコメントをされていた。

 はっきり言えば映画自体に大きな山場はあるわけではなく、史実に基づいて物語が進行していき、ハリウッド映画のようなスペクタクル性は殆どない。しかし、国が違うだけで殺し合いをする戦争の愚かさと、敵にも敬意を払う人間性の素晴らしさを感じることのできる映画だ。

 主人公の大場大尉は戦後日本に帰国し、愛知県で丸栄産業代表取締役となり、蒲郡市議にもなったそうだ。会社幹部や、議員が戦争時には指揮官として、自らの命をかけて、国の為、民の為に戦い抜いたということに新鮮な驚きを感じる。

 現代の社会の構成員にはその覚悟と、体力と智恵があるのかと、疑問が生じてきた。もちろん自分も含めてのことだが....。

 世の中を斜に構えて見るのが自分の悪い癖で、今日映画の悲惨なシーンを観ながらも、この場面も台本通りに役者が演技してたくさんのスタッフが背後にいるんだなぁといやらしくニヒルになった。しかし待てよ。映画は面白さや完成度がその映画のクオリティを決めると思っていたが、面白さ云々にこだわっているのはお子様だよ(゚ー゚)。                                 映画という幻影を通していかに想像力を駆使して、普通体験できない世界や過去の歴史を、どれだけリアルに深く味わえるかというのも醍醐味なんだよと気づいた。

 だけど、つい虚実の境目がなくなり、映画館で怒鳴ったりするのはNGです。でも、なんで映画館で楽しいシーンに笑ったり、悲しい場面で泣いたりはいいんだろう?それは、場内の皆さんがほぼ同じ気持ちであることと、怒りと違って攻撃性を感じないからかもしれない。

 映画から人生や世界を勉強する。中学生のときから尊敬していた淀川長治さんの言っていることがわかってきたような気がしてきた。 

 映画館と同じビルにあったショッピングモールで、重低音スピーカーシステムを買いました。家でも迫力ある音で、映画観ようっと( ̄ー ̄)ニヤリ

  

 

 

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