« 望まれない子供たちに尽くした故Yさんへ | トップページ | 瞳の奥の秘密 »

2010年8月15日 (日)

東京湾花火と「帰国」(倉本聰)

 今日(8月14日)はゆっくり家で過ごす休日だ。いくつかの本を同時並行で読むが、久々に小説「旅人の和」(秋山正幸)を完全読破する、最近、小説を読む機会は少ないが、これは本当にまじめな小説だ。戦前、戦後に恋愛、仕事に様々な問題を抱えながらも、武道の和の精神をもって乗り越えていく物語だ。最初は少々つらいなぁと思いつつ、よくある展開だと思いつつ、段々と物語にひきこまれていった。僕も合気道をやっているが、この主人公のように合気道の和をもって、生きることに結び付けたいものだ。

 今日の夜は嫁がおいしいグリーンカレーを作ってくれたので、久々に休肝日にしようと思ったが、突然ベランダにドーンと太鼓を叩く音がする。雷かなと思ったら、窓をのぞいた嫁が花火だ!と叫んだ。そうか、今日は東京湾花火大会だったのだ。以前、芝大門に住んでいた頃は、何回か観にいったのだが、今は下町住まいですっかり忘れてしまっていた。

 現在のマンションに今年の春に引越したので、ベランダから初めてみる花火である。ちなみにこのマンションは隅田川花火も観れるそうだが、今年はベトナム旅行とかち合ってしまし残念ながら観れなかった。

Photo_7

 花火好きの嫁はさっそく缶チューハイを冷蔵庫から出してベランダで見始めた。僕もこのような特殊事態では休肝日を返上して、チューハイをいただく。二人で部屋に戻り、照明を消して、テーブルにおつまみを出して、7,8キロ離れた場所から花火の輪を味わう。

 何も知らない人(特に外国人)がみたら、突然東京が空爆されたと勘違いするのではないかというぐらいに、迫力のある光と音だった。

 その後、TBSで「帰国」という倉本聰原作のドラマを観る。戦死した軍人たちが現代の日本に一夜だけ帰ってくるという設定だったので、期待していたが、どうも個々の軍人たちのエピソードが不自然な感じがした。しかし、後半では色々と考えさせられる場面もあった。特に僕も前から感じていたことをこのドラマは明示してくれた。

 現代では人ひとりが殺されれば大事件となる、ではそれが10人、100人、1000人もっと多く、それが数十年前に出来事だったら、忘れ去られていいのか?

 終戦記念日は政治的・責任問題にマスコミはスポットライトをあてる。いみじくも本ドラマでもマスコミには愛国の精神などないと言っていたのは感心した。

 

 僕は先週、靖国神社に参拝した。日本の平和のために祈り、誓った。数年前に「硫黄島からの手紙」を有楽町で観たときに、今から60年程前には、現実の世界でこの東京がアメリカに空襲され、また戦地では多くの兵士が実際に撃たれ、破壊され、餓死していったのだ。リアルで日常的な恐怖と死の現実から、まだ60年しか経っていないのだと、夜のライトに燦燦と輝く銀座を歩きながら、呆然した憶えがある。

明日は終戦記念日だが、こうして東京湾花火を眺めながら、お酒が飲めることが本当に幸福なんだということをお前はまだ実感していないと、叱られたような気がした。

  

|

« 望まれない子供たちに尽くした故Yさんへ | トップページ | 瞳の奥の秘密 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/531400/49149847

この記事へのトラックバック一覧です: 東京湾花火と「帰国」(倉本聰):

« 望まれない子供たちに尽くした故Yさんへ | トップページ | 瞳の奥の秘密 »