« クリオのエナジーリング購入 ! 50歳 | トップページ | 「ベストキッド」を渋谷で一人で観る中年男性 »

2010年8月18日 (水)

河合隼雄「心の子育て」

 心理学者で文化庁長官もされた 故河合隼雄先生の「心の子育て」を読む。なかなか感じるところがあり、気になった箇所と失礼ながら感想を書いてみました。

心の子育て

「人間は自然に反することをする性質を自然にもっている。自然に還るいい方法が子育て。」

子どもは自然に生きているから、大人の思うとおりには動かない。だけど大人は頭で考え、子どもに接してしまう。養老孟司氏も同じようなことを言っていたが、都市化されるということは脳が支配する世界をつくることで、子どもはどこでも泣くし、排泄も自然法則に従っているため、大人は何とか自然ではなく、脳化された社会システムに順応させようとしている。もちろん、排泄する場所や公共マナーの躾は必要だが、あまりにも縛りつけようとすると、子どもの成長に大切な自然のリズムが壊れていくのではないか。子育ては、子どもを育成するために奉仕するだけではなく、大人自身が自然に還っていき、心身が健やかになっていくためのアプローチだ。

河合氏はこう述べる。「頭でっかちになってくると、子どもと付きあう時間は損みたいに思ってしまう。子育ての時間をかけることは犠牲を払うと考えるようになる。でも、子どもの時間に沿っていくことは、本当は大人が癒されていくこと」

「現代は子どもをコントロールできると思い過ぎている。相手は子どもで生きている存在。だからこちらの思い通りにならないのが生き物ということ」

頻発している児童虐待の原因は子どもが泣き止まない、言うことをきかないというのが多い。子どもは自然であり、時間をかけて躾けられていく。それを生後まもない子どもの自然な振る舞いを、激怒するのは間違っている。そりゃ疲れていているのに、夜鳴きがとまらない時は、感情的にもなるだろう。しかし、その感情を暴発させ、子どもに暴力を振るうのは犯罪だ。子どもを育てるなかで様々な葛藤を経験し、のりこえていくことが親なるということなのだ。

「今、難しいのは母親と子どもだけの閉じた関係が生じやすいこと。家の構造も、昔は縁側があって、障子があってというオープンな作り方だったから、近所とつきあわざるを得ないかっこうだった。欧米は閉じてしまうとよくないから、パーティーを開いたり、協会に行ってみんなと話をしたりした。日本は核家族化し、その分関わることが必要だったが、逆に家族だけで閉じてしまった」

「虐待に進んでしまう場合は、専門家に会った方がいい。相談に行くというよりも、こころから話ができるところと思ったらいい」

河合先生のいうとおり、現代の家族は閉じられている。サザエさんちや、ちびまるこちゃんちのような家庭は虐待はまず起こらないだろう。それは、家族構成とパーソナリテイーだけではなく、家のオープンな構造と、近所付き合いがあるということだ。

マンション居住が増えるのは仕方ないことだが、その分、誰かと一緒になれる機会をつくらなければならない。個々人の自由を謳歌するのは、せいぜい夫婦ぐらいまでで、子どもができたら連帯と責任が必要になってくる。

「本当は子育てというのは面白い。いま、情報が多すぎて、ここが危ないというのが多すぎる。昔の日本人は家のために生きていた。それで一生懸命、お互いを支えてきた。大家族で子どもの親は若夫婦として、家の労働力として家を支えるのが大半で、赤ちゃんはおじいちゃん、おばあちゃんとか、他の人が育ててくれていた。それが西洋と付き合い、急激に「個人主義」が入ってきた。若い母親が不安になって当たり前。」

 

現代では子育ては、社会全体で面倒をみるという風潮にある。確かにそれは必要なことだが、それは子育てを苦役として捉えていることだ。しかし、本来、子育ては人間の営みにとって尊く、大事なことであり、楽しいものだ。

子育ては、夫婦だけでは当然無理が生じる。昔は、家がそれを支えていた。家が崩壊した現代においては、その役割を社会(行政)が家の役割を担うことになってきている。だが、家の役割を社会が変わってしますというのは、本当に可能なのだろうか。

「間違えないでほしいのは、みんなが思うほど世の中は悪くなっていない。無理やり結婚させられることも、親の跡を継がせられる、結婚させられる、戦争それがわかっていないと嘆いてばかりになる。自由になったかわりに「たった一人で大人になる」という課題を背負っている。イニシエーションを近代社会は捨てた」

「物が豊かになった分だけ、こころを使わないといけないのに、物事を安易に物やお金で解決しようとして、こころを使うことを忘れる。だから子育てについても問題がいっぱい出てきている」

「世の中が豊かになり、便利になると人間関係は希薄になる。昔は食べていくのが精一杯で、知らず知らずこころを使っていた。親は何とかして買ってやろうと努力し、子どもは欲しいのをがまんする。だから、豊かな時代には、子どもに楽しみを与えるにも、それぞれ家でコントロールしなくてはいけない。工夫がいる。それがこころを使うということ」

「子育ては自己実現。こころも身体も人間全体を使わないとできない」

|

« クリオのエナジーリング購入 ! 50歳 | トップページ | 「ベストキッド」を渋谷で一人で観る中年男性 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/531400/49184599

この記事へのトラックバック一覧です: 河合隼雄「心の子育て」:

« クリオのエナジーリング購入 ! 50歳 | トップページ | 「ベストキッド」を渋谷で一人で観る中年男性 »